海外動向
2018年05月28日

オルキルオト原子力発電所・オンカロ最終処分場

フィンランド、ストックホルムから車で約3時間、オルキルオト原子力発電所と、これに併設されているオンカロ核廃棄物最終処分場を見学しました。

フィンランドの電力の約25%は原子力発電です。オルキルオトにおいて1979年に操業を開始した2基の原子力発電所は、現在も87%を超える安定した稼働率を保っています。また、現在新しい原子力発電所を建設中です。フィンランドは、国内の核廃棄物を全て国内で処分すると決めており、国民的な議論の末、強固な岩盤内の地層処分としてこの地が選ばれました。現在、低レベルの核廃棄物の処分が進められており、高レベル廃棄物の処分施設は現在建設中とのことです。ヘルメットを着け、岩盤内の坑道を下り、ガイガーカウンターを手に低レベル核廃棄物最終処分場内に入りました。コンクリート詰めの廃棄物の墓場です。フィンランドの人口は、およそ550万人。人口密度は低く、また工業国ではないため、それほどの電力需要があるとは思えません。この国民が、原子力発電を選択し、かつ、誇りをもって世界初の核廃棄物最終処分場を作っているというという事実をどう受け止めるのか、複雑な思いがしました。

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