海外動向
2018年05月28日

スウェーデンの廃電気電子機器リサイクル

5月4日北欧の廃棄物視察団として、スウェーデン・ストックホルムのEl-Kretsen ABを訪問しました。

El-Kretsen社は、スウェーデンの廃電気電子機器のリサイクルネットワークを構築する会社です。EUでは、製造者および輸入者は廃電気電子機器をリサイクルする義務があり、リサイクル費用は商品価格に含まれています。スウェーデンでは、電気・電子機器の製造者および輸入者は、自らリサイクルするか、リサイクルを行う管理会社を選任しなければなりません。El-Kretsen社は、スウェーデンで公認された唯一の管理会社であり、わずか10人の従業員で、1700社の製造者等のリサイクルネットワークを動かしています。売上は5300万ユーロ、年間14万トンの廃棄物を回収して、リサイクルしています。回収方法は、自治体のステーション、移動回収車などを利用し、家庭系だけではなく、事業系も扱っています。実際のリサイクルは、外部に委託しており、リサイクル率、安全性の向上を管理しています。課題としては、EU指令では、照明器具、バッテリー、廃電気電子機器などが個別規制のため、複雑で統一性がない点であるとのことでした。また、指令の対象物が分かりにくい、回収システムの効率性と利便性のバランスも問題があるとのことでした。中国がプラスチック類の破砕物の受け入れを禁止している影響については、未知数とのことです。会議室には、ソニーやパナソニックの名前がつけられており、北欧らしい素敵なインテリアの事務所でした。株式会社なのに、non-profit、つまり利潤の追求や株主への利潤還元行わない、という組織とのことです。日本の社団法人に近い感覚です。
http://www.el-kretsen.se/english/

コラムTOPへ戻る