海外動向
2023年08月21日

EUの自動車リサイクルに関する新たな指令案

2023年7月、欧州委員会は自動車設計・廃車(End-of-Life Vehicles:ELV)管理における持続可能性要件に関する規則案を発表しました。

日本の自動車リサイクル法は、廃棄物の再資源化・適正処理、特にシュレッダーダストの不法投棄防止に重点を置いています。一方EUの自動車リサイクル制度は、自動車という製品全体の持続可能性と再生資源の活用を重視する方向にあります。すなわち廃車からの金属回収等に留まらず、新車における部品の再利用、再生プラスチック利用、廃車由来の再生材増加、廃車回収率増加、コスト負担の公正化などを重視しています。途上国への輸出についても、EUでは海外での環境汚染に繋がるリスクを考えています。また3Rという概念にも違いが生じています。日本では、3Rとは廃棄物処理におけるReduce,Reuse,Recycleと解されていますが、EUでは、3Rは新しい製品の設計製造段階でのReusability、Recyclability、Recoverabilityとされているとのことです。今後日本の自動車産業及びリサイクル産業にどのような影響が生じるか注目されます。リユースを重視するリサイクル法の存在は、今後日本の製造者に影響を与えていくことでしょう。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/07/02dc9a583937f011.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/07/4f668a69a89e6e76.html

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