廃棄物処理法
2019年01月28日

廃棄物処理法と水質汚濁防止法の関係

廃棄物処理施設から廃液を河川や海に流す行為は、廃棄物処理法違反又は水質汚濁防止法違反のどちらに該当するのでしょうか。

一般的には、廃棄物処理法は一般法、水質汚濁防止法は特別法の関係にあると言われています。すなわち、まず、特別法である水質汚濁防止法違反に該当するかを検討し、水質汚濁防止法違反に該当しない場合に、廃棄物処理法に違反するかどうかを検討するという順番です。これは、本来、水質汚濁防止法は特定施設を有する工場に適用される厳しい法律であるということを前提としています。しかし、廃棄物処理法の度重なる強化により、現在では廃棄物処理法の罰則の方が厳しくなってしまいました。水質汚濁防止法の排水基準違反の法定刑は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金ですが、廃棄物処理法の不法投棄の法定刑は、5年以下の懲役若しくは1千万円以下の懲役又はこの併科となっています。また、法人としての罰金は、水質汚濁防止法では50万円以下の罰金ですが、廃棄物処理法では3億円以下の罰金です。これは、廃棄物の不法投棄が深刻な環境汚染を引き起こしてきたことによるものです。このように、法定刑が逆転している現在では、廃棄物混じりの悪質な廃液の排出については、水質汚濁防止法ではなく廃棄物処理法違反を適用したほうが妥当かもしれません。

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