○平成29年8月8日 廃棄物規制課長通知
(環循適発第1708081号、環循規発第1708083号 平成29年8月8日)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令等の施行について(通知)
http://www.env.go.jp/hourei/add/k062.pdf
平成29年10月1日から、水銀を含有する廃棄物についての規制が全面施行されています。これは、平成25年10月「水銀に関する水俣条約」を採択したことにより、廃棄物処理に関連する規制を強化したものです。
非常に複雑な改正です。排出者にとって、特に排出量が多い「蛍光ランプ」等に関し、この通知で特に注目していただきたいのは下記の点です。
① 水銀使用製品産業廃棄物(通常産業廃棄物)の対象
本通知別紙2記載のものを、事業者が「単体」で排出する場合には、かならず水銀使用製品産業廃棄物となります。水銀電池、蛍光ランプ等がその典型です。これは、特別産業廃棄物ではありません(通知第一、4(1)①参照)。通常産業廃棄物であり、水銀使用製品産業廃棄物と呼ばれます。
② 組み込み製品の水銀使用製品産業廃棄物の除外対象物
蛍光ランプ等は、製品の一部に材料や部品として組み込まれていることがあります。組み込み製品は、全体が水銀使用製品産業廃棄物に該当するのが原則です。しかし、本通知の別表2で×印がついているものは、たとえ水銀が使用されていても、これを材料または部品として用いて製造された製品を廃棄する際に「水銀使用製品産業廃棄物」として扱う必要がありません(水銀使用表示がある場合を除く)。(通知第二.4(1)②参照)。これは、通常見た目では、水銀を使用している部品が含まれているか判断ができないからです。
×がついているのは、以下のものです。
No.3 スイッチ及びリレー
No.4 蛍光ランプ
No.5 HIDランプ
No.6 放電ランプ
No.11 弾性圧力計
No.12 圧力伝送器
No.15 真空計
No.16 水銀充満圧力式温度計
No.19 顔料
No.26 周波数標準機
なお、水銀電池、水銀体温計、水銀式血圧計などは、これを組み込んだ製品が必ず水銀使用製品産業廃棄物に該当するので注意が必要です。
つまり、蛍光ランプが組み込まれている自動販売機は「水銀使用製品産業廃棄物」に該当しませんが、水銀電池が組み込まれている補聴器は「水銀使用製品産業廃棄物」に該当します。
③ 組み込み製品の排出の際の注意
自動販売機のように、蛍光ランプが容易に取り出せない形式で組み込まれている製品を廃棄物として排出する場合、取り外さないで排出することとされています。また、中間処理施設等で、蛍光ランプを組み込み製品から取り出した場合には、その時点から、すなわち中間処理業者が排出事業者となって、その取り出した蛍光ランプを、水銀使用製品産業廃棄物として取り扱うこととされています(通知第二.4(1)③参照)。
④ 混在している場合
蛍光ランプとLEDランプのように、同一カテゴリー、同一性状の製品を、混在した形でまとめて排出する場合、総体として水銀使用製品産業廃棄物として取り扱って差し支えないこととされています(通知第二.4(1)③参照)。
⑤ 情報の伝達
排出事業者が特に注意すべき情報の伝達は、以下のものです(通知第二.8参照)。
* 保管場所の掲示板
* マニフェスト(電子マニフェストを含む)
* 処理委託契約
但し、既に締結されている委託契約書については、更新時に対応することや、自動更新規定の契約については適宜覚書等で対応することが望ましいとされています。契約書の変更には時間がかかることを配慮したものでしょう。