海外動向
2018年05月21日

スウェーデン・ウプサラの焼却施設

5月3日、ストックホルムから車で約1時間半、郊外都市のウプサラにある廃棄物焼却施設を訪問しました。

運営しているのは国営企業のVATTENFALL社です。5本の長い煙突を束ねた姿が、町の中心部に出現。かつては9000の小さな煙突で深刻な大気汚染だったのが、現在は一つの煙突で町中の空気がきれいなったという説明でした。ウプサラの人口は約20万人、この焼却施設は500kmに及ぶネットワークを持ち、90%の住民に地域暖房を供給するとともに、発電、蒸気供給をしているとのことでした。温暖化対策として2030年にはCO2排出量ゼロを目指しているとのこと。気になったのはその達成方法です。まず、1990年からピートの利用を開始したとのこと。通訳が、ピートを「草炭」と説明したので、参加者が、それって「泥炭」じゃない?と質問。寒冷な湿地帯が続くスウェーデンとフィンランドでは、ピートは昔から重要な燃料だったようです。化石燃料ではないの?石炭よりもカロリーが低いので、ばい煙や効率などで問題があるのでは?と、はてなマークが・・。調べてみると、スウェーデンでは、ピートは再生可能エネルギーとして炭素税が非課税になっているとのこと。また、粉状に加工して、燃焼効率を上げているようです。しかし、ピートによる代替では目標を達成できないので、この施設では、木材チップへの再転換を予定しているとのことでした。ゼロエミッションへの道は険しそうです。
https://www.vattenfall.se/english/

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