海外動向
2023年06月12日

バッテリーパスポートとブロックチェーン

EUでは、新たなバッテリー規制の内容としてデジタルプロダクトパスポート(DDP)の導入を決定しました。

バッテリーは、電気電子機器だけではなく、産業用・電気自動車用などに広く使われており、温暖化対策を進めるためも不可欠です。しかし、コバルト、リチウム、ニッケルなどの地下資源を大量に使用するため、資源の枯渇、採掘現場での人権侵害、紛争の原因などの問題を抱えています。そこで、他の製品のエコデザイン指令に基づく情報開示に先駆けて、規制化が行われる予定です。これにより、産業用、携帯型などEU域内で販売される全てのバッテリーに対し、省エネ・省資源・原材料のリサイクル率などの情報を商品のパスポートとして開示することが求められます。また、人権に配慮し、反社会的勢力を排除するための責任ある原材料の調達ルールに従っているかも、開示対象となる予定です。さらにバッテリーの長寿命化のために、使用中にも劣化状態、交換の必要性、残存価値などを追跡できるような情報が必要です。そこで、自動車メーカーは、バッテリーのライフサイクルにおける規制に対応するため、ブロックチェーン技術等を活用することを検討しています。経済産業省は、「蓄電池のサステナビリティに関する研究会」を立ち上げ、カーボンフットプリント、人権・環境デューデリジェンス、データ連携の在り方を検討しています。IT技術とリサイクル技術の進化は、まだ始まったばかりということかもしれません。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/12/12e41e15f44c73df.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/05/328e20757912ea1c.html
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/chikudenchi_sustainability/004.html

コラムTOPへ戻る