廃棄物処理法
2017年12月11日

排出事業者責任に基づく措置に関するチェックリスト 平成29年6月

http://www.env.go.jp/hourei/add/k060.pdf
平成29年1月に、食品廃棄物の不適正転売事件(いわゆる「ダイコー事件」)が発覚しました。この事件を契機に、環境省は、排出事業者が講ずるべき措置を整理した本チェックリストを作成しています。

本チェックリストの重要ポイントは、廃棄物処理業者の現地確認等による処理状況の確認方法です(法第12条第7項)。

1.現地確認等による処理状況の確認(本チェックリスト2-5、14~15頁)
実地確認の他、間接的確認(優良産業廃棄物処理業者に処理委託している場合等、委託先の産業廃棄物処理業者がホームページ等で公表している処理の状況や事業の用に供する施設の維持管理の状況により、当該産業廃棄物の処理が適正に行われていることを間接的に確認する方法)があるとされています。
また、確認の内容は、形式的なものではなく、保管状況や処理工程等について実質的な確認が重要であるとされています。
さらに、公益社団法人全国産業廃棄物連合会が実地確認のために作成しているチェックリストを参考にするよう推奨しています。

◆ 廃棄食品 肥料化/飼料化 実地確認チェックリスト
http://www.zensanpairen.or.jp/jicchikakunin/pdf/jicchikakunin_01.pdf

◆ 肥料化チェックリスト(平成28年10月)
http://www.zensanpairen.or.jp/jicchikakunin/pdf/jicchikakunin_02.pdf

◆ 飼料化チェックリスト(平成28年10月)
http://www.zensanpairen.or.jp/jicchikakunin/pdf/jicchikakunin_03.pdf

◆ 建設廃棄物適正処理推進プログラムチェックリスト
http://www.zensanpairen.or.jp/disposal/05/index.html#09

処理状況の確認を行っていない事業者は、措置命令(法第19条の6)により、支障の除去等を命じられる可能性があることが明記されています。

2.チェックリスト(本チェックリスト3、20頁~26頁)
チェックリストの内容は、排出時、保管、委託処理、その他に分かれています。
ほとんどが法定事項ですが、法律に上乗せしている追加的な記載は下記のものです。
(本チェックリスト3-3 委託処理 ① 廃棄物引渡し前)

○ 委託先の要件(優良産業廃棄物処理業者であるかを考慮しているか)
○ 委託基準(委託先の処理能力や処理工程等に照らし、委託する産業廃棄物が適正に処理できることを、処理施設の実地確認等を含め確認しているか。)
○ 委託契約の確認 契約内容について自ら決定したか。適正対価を負担しているか。
WDSを委託契約書に添付

3.本チェックリストの活用
本チェックリストは、排出事業者の法的義務を分かりやすく説明しています。したがって、排出事業者の社内向け教育資料として、有効活用できると思います。なお、法律の上乗せとしてチェックリストに記載されている部分は、ダイコー事件で、堆肥化の処理能力に疑問があったことや、管理会社が介在していたこと、適正な対価ではないと思われる部分があったことを受けた記載だと思われます。

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