廃棄物処理法
2019年04月08日

プラスチック資源循環戦略(案)答申

環境省は、2019年3月26日、「プラスチック資源循環戦略に関する中央環境審議会の答申について」を公表しました。

 2018年1月、EUがプラスチック戦略を公表しました。プラスチックによる海洋汚染は国際問題であり、日本でも早急に、プラスチックの製造・使用・廃棄について国家戦略を作ることが必要となっています。環境省が今回公表したプラスチック資源戦略案は、2030年までにワンウェイのプラスチックを累積で25%排出抑制すること、2035年までに使用済みプラスチックを100%リユース又はリサイクル等により有効利用すること、2030年までにバイオマスプラスチックを最大限(約200万トン)導入を目指すことなどを掲げています。
 今回の答申で特に注目を浴びているのが、レジ袋の有料化義務化(無償配布禁止等)です。憲法上の権利である営業の自由により、価格の設定は事業者の判断に委ねられており、税金以外の方法で義務付けすることは、従来の法律の考え方からからすれば困難だと思います。家電リサイクル法のリサイクル料金は、使途が限定されていますが、レジ袋の売上金額を国や業界団体が管理することは不可能でしょう。また、事業者間で価格を一律にすることは、談合の疑いがあります。しかし、レジ袋の値段が違えば、消費者は少しでもレジ袋の安い店を選ぶようになり、有料化の意味がなくなってしまいます。レジ袋法という個別法を作るとしても、レジ袋の定義が難しく、適用される業界や商品の特定も困難です。あまり難しく考えず、廃棄物処理法に「何人も、使い捨てになる可能性の高いプラスチック製袋を、販売の際に無償で配布してはならない。」というような抽象的な禁止規定を追加して、あとは通知や事例集で違反事例や推奨事例を追加していくというような方法もあり得るのではないでしょうか。
http://www.env.go.jp/press/106653.html
http://www.env.go.jp/press/files/jp/111258.pdf
http://www.env.go.jp/press/files/jp/111235.pdf

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