海外動向
2019年05月20日

サンフランシスコ・リコロジー社の挑戦

サンフランシスコ市は、2020年までに廃棄物の埋立をゼロにするという目標を掲げています。その重要なパートナーは、収集運搬を一手に引き受けるリコロジー社です。

サンフランシスコ市にはごみ焼却炉がなく、従来は埋め立てに頼っていました。そこで、レジ袋有料化、使い捨て食品用発泡スチロールの禁止などの取り組みをするとともに、食品残渣のたい肥化、マテリアルリサイクルの推進を進めています。リコロジー社は、サンフランシスコ市の家庭及び商業施設の全ての収集運搬を行うとともに、選別施設やたい肥化施設の運営を行っています。粗大ごみ、有害ごみも含め、一つの会社が全ての窓口になっていることは、市民や事業者には便利です。リコロジー社は、100%従業員が株を所有しており、長く働き、会社の業績が上がれば、それだけ退職時に株の売買代金を多く受け取ることができます。したがって、従業員の定着率は高く、安定した操業ができるとのことでした。リコロジー社の収入は、廃棄物の収集運搬料金だけではなく、たい肥等の販売利益、リサイクル率向上・埋め立て量削減のインセンティブ報奨金があります。つまり、廃棄物処理業者でありながら、廃棄物排出抑制で儲かるという仕組みになっているのです。しかし、廃プラスチックの輸出が厳しくなっており、埋立ゼロの目標達成は難しいと思われます。
https://www.recology.com/

コラムTOPへ戻る